病院薬剤師の仕事について教えてください
【薬剤師歴8年 市民病院薬剤部勤務 Yさん】
私は薬学部を卒業して薬剤師免許を取得してからずっと現在の病院内の薬剤部に勤務をしています。
現在外来の患者さんに対しては薬の処方は外部の企業である調剤薬局がそのほとんどを担当していますが、病院内で治療を受けている患者さんや入院中の人などに対しての薬の処方は病院内にいる薬剤師が担当をすることになっています。
私の勤務する市民病院は地域の医療の中心となる総合病院であるため院内にはたくさんの診療科が存在しています。
院内の薬剤部はそれぞれの診療科ごとに担当が決まっており、取り扱う薬剤の種類もそれによっていくつかの分類で限定されることになります。
私の所属している診療科は外科・脳神経外科・口腔外科という外科担当分野であるため、主に傷の手当や鎮痛剤などを行うための薬剤が主に取り扱われます。
他にも内科病棟勤務の薬剤師や小児科担当の薬剤師などがおり、それぞれが自分の専門分野についての薬剤を日々出しているというのが現状です。
またそうした別々の担当をする薬剤師同士で定期的に情報交換をしたり、時に別の地域の病院の薬剤師との勉強会に参加をしたりします。
病院勤務の薬剤師としての難しさはありますか?
私は薬剤師としてのこれまでのキャリアで病院の薬剤部しか経験していないため他の薬剤師と比較をすることはできませんが、やはり病院内での仕事は他の勤務先とは全く異なるものだという実感はあります。
例えば薬剤師が最も多く勤務をしている調剤薬局ですが、こちらでは診療や医療行為をすることなくあらかじめ受け取った処方箋をもとに調剤をしていきます。
調剤薬局内にも事務方や会計担当など何人かのスタッフがいることと思いますが、病院の場合にはさらに医師や看護師、理学療法士や作業療法士といった別の医療スタッフも数多く存在しています。
病院内薬剤師はそうした別の医療スタッフと連携をしながら患者さんの治療に必要な薬剤を提案していくチームの一員となるため、調剤スキルだけでなく速やかな連携ができるための仕事のスキルが多く求められてきます。
特に最近は病院内の情報交換はIT機器を用いて行うこととなっているため、正確に必要な情報を記録をしていき別の部署にすぐに渡すようにするという事務作業は決して怠ることができません。
逆に病院勤務だからこそのやりがいを教えてください
他のスタッフとの連携が必要になると先に言いましたが、この連携はスタッフ内での業務のやりやすさだけでなく患者さんへの安心感へとつながっていくことになります。
例えば長期入院されている患者さんにとって、治療で関わるスタッフがあきらかに情報共有できておらずいちいち確認をしているようにしていたらどうでしょうか?
確認や情報の受け渡しは治療にかかる時間を短縮しミスを防ぐためには不可欠のことになります。
そうした意味で自分の薬剤師としてのチーム作業が患者さんの納得と安心を作り出すということこそが病院勤務での大きなやりがいになると言えます。
自分だけではなくチームとして患者さんを支えるという実感は強い責任感とモチベーションを私に与えてくれています。